万の妖怪記

妖怪達の住む異世界に迷い込んでみました。

万の妖怪記

“初代” 万・妖怪記 第9話

初代妖怪漫画18

泥の石鹸でお肌スベスベだずぅ~♪

其の十八

「…てワケで載せてってくれスズ」

栗吉の家を訪ねて来たばかりのお鈴に唐突にお願いする

 

『はぁ!?嫌よ!!』

泥の石鹸を貰いに来ただけなのに急な事を言われてお鈴は苛っとして叫んだ

まあ、そうだろう。

 

話は変わるが

栗吉の “泥の手作り石鹸” は妖怪女子達の間ではかなり人気の品なのだ

中身は栗吉の畑で採れる滑らかな泥と、渋柿のエキス

匂い付にキンモクセイや季節の花、草等をその時の気分とかで配合している

 

肌がスベスベになる上に気になる匂いやシミ、そばかすなんかも取れる

優れモノなのだ

勿論、泥の石鹸は栗吉自身が使おうと思って作っているので売り物ではないが

ある日石鹸が無くなったろくろ首に一つあげた所

あまりに良かったらしく其れが妖怪女子達の間で口コミで広がり

今では色んな妖怪女子からねだられて、貰われてしまう為

仕方なく多めに作っているのだった。

ちなみに原則、一妖怪に一個のみとなっている

 

「泥の石鹸10個いかがどす、姐さん♥」

そんな大人気の泥の石鹸を取り引きに持ち出す栗吉…

ちょっとズル賢い顔を見せた

 

「ほう♥」

妖怪女子に大人気の一個しか貰えない泥の石鹸を10個も貰えると聞けば

もはや答えは一つ!

 

「んもう♥しょ~がないわねぇ~」

お鈴はホクホクしながら突然帯の紐を解いた

 

不思議な霧が立ち込める

妖怪が変化する時、必ず “ざわり” と立ち込める霧だ

 

『特大サービス!!』

 

“ぼん” と大きな変化音がすると

そこには先程の可愛らしい女子の姿は無く

巨大でムスッとした顔の虫の妖怪が現れたのである!?

其の十九

初代妖怪漫画19

「「虫ぃいい───!!?」」

キクはあまりの驚きに絶叫した

 

可愛い女子がムスっとした人間程ある巨大な虫の妖怪に変化したと言うショックからだ

 

「当たり前ぇだ、ちなみに三千歳、俺と同ぃ歳な」

お鈴のヒカリスズムシ成長過程は下記☟の記事を参照して欲しい

yorozuyoukaiki.hatenablog.jp

「三千!!?」

 

その歳を聞いて更にダブルショックを受ける…

キクは何故だか血の気が引くのを感じた。

 

妖怪は不死の体を持っていると聞いた事があるが本当だったのかと

ヒンヤリする心の中で思った

 

『いいから早よ乗れ』

キクがもじもじしていると、痺れを切らしたお鈴に首根っこを掴まれて

お鈴の背に無理やり投げて乗せられた

 

「うぼっ」

成す術も無くほおり投げられたキク

栗吉はちゃっかりもう背に乗ってくつろいでいた…いつの間に…

 

キクが背にのって体制を整えるか否かという時

お鈴は息を思いきり吸って大地を蹴り上げ七色に輝く大きな羽根を広げた

 

『出発!!』

 

飛んだ風圧でススキが風に激しくなびく…次回へ続く★

ワシも鈴ちゃんの背中に乗りてぇだず~♥