ビリーとそんな因縁があったんだな~
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其の三十八
襲いかかる火の粉を熱がりもせず
栗吉はビリーをキリリと睨んだ
『どんな理由であれ、俺の友を傷付ける奴ぁ許さねぇ!!!』
灼熱から来る幻影か…それとも本当にそこに居たのだろうか…
ビリーは栗吉の傍にあの女陰陽師が立っているのが見えたのだ!
ぼやけているような、だがくっきりと女陰陽師は確かにそこにいる
『あっ!!?』
ビリーは驚きで思わず声を上げた
女陰陽師が凄い術者だったとしても所詮は人間
限られた命は短く、まずはこの場にいるワケがない
その幻影が重なってまた栗吉だけになると
栗吉の周りに不思議なオーラが漂い
女陰陽師と同じ印術を行う仕草を始めた
それはまさにあの時の “万印術” の印そのものだった
そもそも万印術と言うのは妖力の高い妖怪が使う術で
人間の術ではない
それを人間の女陰陽師が使っていたと言う事は…
もしやして女陰陽師は妖怪だったのだろうか!?
それなら栗吉がモグラの妖怪であるワケが解る
因みに万印術を使える妖怪は九尾の狐と栗吉、その他数少ない限られた妖怪だけだ
『砂獣印術・大蟲召来』
栗吉が叫ぶと体から無数の雷が出て
周囲の砂がまるで磁石のように雷に吸い込まれていった
其の三十九
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砂の嵐が藤蛙の灼熱の炎を消し去ってゆく
そして栗吉とビリーのいる真ん中に砂が円を描くように集まってゆくと
砂の中心に見たことのない種字が映し出され
それが生き物の様に砂に紛れてゆき
くねくねと動き出したのだ!
そして遂には砂の中心に吸い込まていった
“ボ”
刹那、砂の中から巨大な口が現れて
続いて長く巨大な体がニョキニョキと凄い勢いで
飛び出して来た!
これは…!ミミズだ
妖怪のミミズ
頭に古い根を生やし目は退化して見えないのだろうか…ほぼ無いに等しい
巨大な口の中には鋭い牙が生えており
捕食したモノを何でも飲み込んで噛み砕き喰うのだろう…
『いやあ~ん、凄いの出たぁ──!!!』
そのグロテスクな見た目からか
ビリーはちょっと涙目になって悲鳴を上げた!
目には目を、と言う事で藤蛙の対抗策に栗吉が
何故か巨大なミミズを呼び出したのだった
この根を生やしたミミズは栗吉の古い知り合いなのだ
普段は地中に潜っていて出てこないが
大昔、巨大になる前は栗吉と食うか食われるかの攻防していた
出会った頃は30センチ程でまるまる肥えて美味そうだったミミズ…
畑の土を掘る度に現れて栗吉に喰われそうになったが
逃げ延び、その度に大きくなって栗吉と戦う度に
いつの間にやら仲良くなり今では同じ年の良い妖怪仲間だった…次回へ続く!
俺は元人間だからミミズは喰わないぜ!