栗やんが可愛い女子になっただず~♥

其の三十三
変化の煙に包まれて何者かが現れる
白い靄から除くその影は栗吉にしてはかなり大きい
術が解けてただの大きなオタマジャクシになった尖御玉が下に転がっている
その一匹を手に持って
佇むのは栗吉ではなく知らない女子だった!
「俺も妖怪だって忘れてねぇ?」
この話方は…
そう、栗吉の変化した姿だったのだ!
ずっとモグラの姿だったが変化をした時だけこの姿になれる
あの目の小さい茶色い毛玉のモグラの姿から想像はつかないだろう…
ポニーテールをしてコスモス色の着物を纏った栗吉は結構可愛らしい。
こちらの姿の方が暮らすのも楽だろうに…
何故モグラの姿で普段暮らすのかと言うと
変化とはかなりの妖力を使って使う妖怪自体にも負担がデカいからだ
ましてや、今回はスズと金爺の妖力も借りているので
双方にも負担が掛かってしまう
尖葉子のビリーとは早めに決着をつけねばならないだろう
栗吉は真っすぐにビリーを睨んだ
其の三十四

『えーっ♥お前女の子だったの!?激好み──❤♥』
オタマジャクシの姿にされたキク坊がきゃあきゃあ叫ぶ
どうやらオタマジャクシの姿にされてもキクの意識があるらしい
変化の一部始終を見ていたのだろう
目がハートマークになっている…
『オダマリ!!!』
あまりにキク坊が騒ぐのでうるさいと言わんばかりに
尖葉子のビリーはキク坊にガブリとかぶり付いて喰ってしまった!
『ぎゃ──』
喰うと言うか飲みこんでしまったが正解かもしれない
断末魔の悲鳴を上げながらキク坊は再び
尖葉子のビリーの中に囚われの身となった
死んだワケではないので良いが本人に戻れる保証はない
『ああっ!!手前ぇよくもキク坊を!!!』
栗吉はさり気なく尖御玉達を口に入れて
モゴモゴと口を動かしながらビリーに詰め寄った
本当に食っているようだ
この姿をみれば元が大喰らいのモグラの妖怪だったと解るだろう
てか、オタマジャクシなんて美味しいのだろうか…?
栗吉の味覚にはついていけない
『アンタこそ何食ってんのよ!!?』
ビリーは御玉を食っている姿にショックを受けながら叫んだ
「ふん…万印術か!!」
ビリーは我に返ってペロリと親指を舐めた
「またお目に掛かるなんて…本っっ当に不快で超迷惑だことぉ!!」
ビリーはイライラした口調で言い放った
どうやらその昔、尖葉子のビリーは栗吉の変化術
“万印術” と言うものを見たことがあるらしい…
それも禍々しい思い出のようだった…次回へ続く!
可愛い女子がゲテモノ食っちゃだめだず~(;'∀')