妖術掛けられたら呪いが大変だず~


其の二十四
『にょ!?』
「え!?」
“ぺたん” と、金爺は頭に、お鈴は豊満な胸に突如として白樺の葉がへばり付く
それは妖術の掛けられた呪いの白樺の葉…
あの葉っぱの妖怪が得意とする葉呪である!!
ぼふ───!!
驚く程の強力な妖力によって金爺とお鈴は
あっと言う間に物言わぬ白樺の葉に姿を変化させられてしまった
良く見れば葉に金爺とヒカリスズムシの時のお鈴の顔が映っている
『葉───っ!!?何事───!!?』
普段驚きをあまり顔に出さない栗吉も
流石に驚いて絶叫した
金爺は老いぼれとは言え妖怪の里の長で妖術をさせたらやはり一番だし
お鈴だってかなりの力を持った妖怪だ!
なのに、一瞬のスキを突かれたとは言えこんなに簡単に
敵の術に掛かってしまうなんて…
変な妖怪だと侮っていたがこの葉っぱの妖怪はかなりの使い手のようだ
葉っぱにされた金爺とお鈴はどうやら意思はまだ失ってないらしく
何やら小さい声でごちゃごちゃ栗吉に言っているがまるで聞こえていなかった…
それより “ざわり ざわり” と葉っぱの妖怪によって
怪しく揺れて舞う藤の樹の葉や花が栗吉の集中力を削いでしまう
“なんて嫌な妖気なんだろう…”
「んふふ♥」
嫌らしく笑って次第に葉っぱの妖怪に体も精神も奪われてゆく
人間の青年キク
その体に舞い散っていた藤の葉や蔦が纏わりついて髪も体も…
そして服も全てが葉っぱの妖怪に変化してゆくのだ!!
「どうしたのぉ?そんなに驚いちゃってぇ♥」
既にキクの面影も無いその妖怪変化は
薄ら笑いを浮かべながら栗吉に敵意をむき出しにした…次回へ続く!
葉っぱの妖怪ヤバイ奴だず~*1
*1:´;ω;`