万の妖怪記

妖怪達の住む異世界に迷い込んでみました。

万の妖怪記

第1話 一度やってみたかった妖怪 その壱

妖怪表紙

それは深夜の出来事でした…!

妖怪に出会った話をする前に私が家の話を少しさせて頂きます。

 

私の家は借家の一軒家なんですがね、結構古い家なので色んな処にガタがきてるんです

特にドアが凄くって、開けたら壊れるんじゃないかってぐらい。

鍵も掛からなくて何か在り合せの金具みたいなもんで

風で飛んだりしないように留めてあるだけ…だから強い風の日なんかは

斜めっているドアの隙間から風がびゅうびゅうと吹き込んで

家中寒いし、時に雨が入ってくるから玄関がびっしょびっしょ。

セキュリティーも緩過ぎて全く機能してません。

まあ、家は金も無いし、ろくなモノも無いんで泥棒なんて完全家はスルーです。

 

泥棒にあった事はありますよ、それは、ずっと前に務めていた職場で

一度オニギリと小銭を盗られた事があったけども…その位かな…

 

我が家の話に戻るんだけど

此処は家賃が安くて大家さんがいい人なもんで20年近く暮らしているんです。

でも今年の2月、それも凍みが凄い寒い日に風呂の給湯器が壊れてお湯が出ない!

風呂に入れず困ってしまい、取り合えず亀を掃除する用に使っている大きなバケツに

お湯を入れて、風呂場で身体を最小限に洗って、震えながらバケツの湯で流し

何とかその日は済ませたワケなんですが、これじゃこれからヤベーだろって

流石に思って大家さんに給湯器の事を話そうと思ったケド…

 

大家さん、1月に長年連れ添った旦那さんが亡くなってかなり元気がないし

息子はずっとニート君で最近は経済的にかなり困窮している様子だ。

母ちゃんにそれを言うと

「いや、無理でしょ。家で直す他ないっしょ!」

と、何故かキレ気味で言っていた。

そんな元気の良い母ちゃんも今年階段から落ちて骨折したのです。

前の日風呂に入っておいて良かった…と言っていたけど弱り目に祟り目。

 

家は色んな意味でガタガタ。

いつもの生活が成り立たないもどかしさや

其れでも仕事には行かなければならない大変さ。

今は仕事があるだけで在り難いが、それでも休みがないので疲労は溜まる。

 

色々嫌になっていましましたよ、私は。金も無いし。

 

それでもゴミだけは溜まるワケで…

夜勤明けのその夜の事、燃えるゴミの日だったのでいつもの様に

深夜2時頃、皆が寝静まった頃ゴミを捨てに行ったのです。

静まり返った住宅街

妖怪漫画1

昼間も結構静かな住宅街なんですが、それでも車の通りは結構あるので

道路に出れば車が引っ切り無しで賑やかなもんです。

深夜の住宅街は静まり返っていて、昼間はあまり出て来ない

狸なんかが我が物顔で通り過ぎてったりします。

明るい昼間も良いですが、深夜の静かな暗さも意外とオツなもんで

私は好きなんですが、夜は怖いっていう人もいるでしょうね。

 

深夜…

特に丑の刻と言われている深夜2時頃は、最も陰の気が強くなると言われます。

妖怪や幽霊なんかの夜行性の輩には一番活気付く時刻

その日は2月にしては暖かかったような気がします。

あ、三日月

妖怪漫画2

ちなみに誰も見てないもんで、変なポーズとか

車が来ないのを良いことに道をジグザグに歩いてみたり

道の真ん中に立ってみたり…特に何かするワケでもないけれどただ

ボーっと道の真ん中で立ってみるって言うだけなんですけどね。

昼間なんかじゃ出来ない事をしたいと思ったらこんな下らない事をしちゃうワケです

 

何気に夜空を見上げてみると三日月が出ていてました。

こう言う何でもない夜の闇を楽しんでいるのですが、時々車が通ったりすると

恥かしいので慌てて取り繕うのですよ。

三つ目の地蔵

妖怪漫画3

ぶらぶらしながら漸くゴミ捨て場に着くと

その横にはまさかの地蔵(道祖神)的なものが佇んでいるのです。

三つ目のあるその地蔵は近所のちょっと変わった爺さんが作ったものなのですが

あまり皆さんには評判が良くないようで、爺さんが作って勝手にその場所に

置いてしまったらしく、私が此処に越して来る前の話になりますが近隣住民から

気持ち悪いとか、その他色々と苦情が殺到して

市役所の方から爺さんに撤去するようにまで言われたようです。

 

爺さんは頑として受け入れず、亡くなって10年以上経つ今でも、

特にどうしようもなく

そのままの現在も “三つ目地蔵” は居るわけです。

 

昼間見ても不気味なその三つ目地蔵は、夜見ると尚の事不気味で

異様な雰囲気を漂わせているのでした…。(その2へ続く)

 

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